COUNTER

194346

エネルギー単位

単位の倍数は、キロ(103)、メガ(106)、ギガ(109)と3桁(1000倍)毎が基本になっています。
 西洋では3桁(1000倍)毎が基本になっていますが、東洋では万(104)、億(108)、兆(1012)と4桁(10000倍)毎の位が基本になっています。ちなみにエクサ(1018)は100京(けい)。
エネルギー問題を語るとき、単位が合っていない、期間係数が異なる、などの食い違いがあり、非常にわかりにくい。今のところ統一した基準はないようです。
設備能力を語る場合と、需要または供給量を語る時では単位が異なってきます。

「エネルギー単位換算」を参考にしてください。
 

調査報告

調査報告
12
2013/07/09

人工光合成の研究加速 実用化へ日本が先陣 資源・温暖化で脚光

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【科学】
人工光合成の研究加速 実用化へ日本が先陣 資源・温暖化で脚光
産経ニュース2013.1.21 

 植物の光合成のように、太陽光のエネルギーを使って水と二酸化炭素からアルコールなどの有機物を工業的に製造する「人工光合成」の研究が日本で急展開している。鍵となる物質の構造解明や実証実験の成功など世界初の成果が相次ぎ、エネルギー問題や地球温暖化を解決する夢の技術が実現に近づきつつある。(伊藤壽一郎)

 ■原料は無尽蔵

 植物は太陽光のエネルギーを利用して光合成を行い、水と二酸化炭素から、でんぷんやブドウ糖を作り出す。これと同じ原理でエネルギー源や化学原料となる有機物を作るのが人工光合成だ。

 地球温暖化は、温室効果をもたらす二酸化炭素が大気中に増えることが原因とされる。二酸化炭素を消費して資源価値のある物質を作れば、温暖化対策への貢献と同時に、枯渇が懸念される化石燃料の代替も可能になる。

 太陽光は地球に降り注ぐ1時間分だけで、人類が必要とする1年分に相当するエネルギー量がある。二酸化炭素や水も地球に無尽蔵にある。人工光合成は原料コストがほぼゼロで、地球規模の問題を一挙に解決できる革新技術として注目されているのだ。

 ■ノーベル賞が機運

 研究の機運を高めたのは2010年にノーベル化学賞を受賞した根岸英一・米パデュー大特別教授だ。受賞直後、「温暖化やエネルギー問題の解決に大きな可能性を秘めた分野だ」と文部科学省に研究支援を要請。受賞理由の金属触媒を使って実現を目指し、プロジェクトを立ち上げた。

 11年4月、大きな成果を挙げたのが大阪市立大の神谷信夫教授のチームだった。

以上産経ニュースより引用

人工光合成に注目が集まっているのは先端エネルギー技術のいくつかの要となるものだから。有機太陽電池・水素革命・メタン・燃料電池・CO2削減、等々個別に注目された技術分野に統合的に関わる技術だからだ。

これからこのような観点でもう少し情報を収集して行きたい。


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2013/02/28

再び「シェール革命」について

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日米首脳会談:シェールガス、対日輸出「前向き」 燃料費抑制に期待
毎日新聞 2013年02月24日 東京朝刊

 日米首脳会談で安倍晋三首相がオバマ大統領から天然ガスの一種である米国産シェールガスの対日輸出解禁に対し「同盟国日本の重要性は常に念頭に置いている」と前向きな言質を引き出したことで、エネルギー業界は「燃料費抑制に大きな前進」(電力会社幹部)と胸をなでおろしている。対日輸出は早ければ3月にも認められるとの観測があり、日本のエネルギー調達費の高騰に歯止めをかける効果が期待される。

 シェールガスの大量生産が続く米国では、国内の天然ガス価格が100万BTU(英国熱量単位)当たり3ドル程度で、日本の液化天然ガス(LNG)輸入価格の約5分の1で取引されている。

 日本政策投資銀行の試算では、米国産シェールガスの調達が実現し、現在の米国ガス価格が他国との契約にも好影響を及ぼした場合、2020年の日本のLNG調達価格は最大15・2%下がるという。原発の再稼働が遅れ、今後も火力発電用燃料としてLNG需要が増え続けることは確実なだけに、電気料金の抑制につながる期待がある。

 日本企業は輸出の解禁を見越し、大阪ガスと中部電力、東京ガスと住友商事、三井物産と三菱商事の3連合が米国内のLNG基地などへの投資に乗り出している。米政府は国内ガス価格の上昇を避けるため、「輸出総量に上限を設定する可能性が高い」(業界関係者)とみられ、輸出枠に達するまでは「早い者勝ちになる」(ガス大手幹部)ためだ

以上毎日新聞記事からの引用

最近「シェール革命」についての新聞・テレビの報道がチラチラ見られるようになってきた。
「シェール革命」は単なるエネルギー問題に止まらず、アメリカだけでなく日本の政治経済にも多大な影響を与える可能性が出てきたことが背景にある。
  1. シェールガス・シェールオイルは破綻寸前にあったアメリカ経済に革命的変化をもたらした。国際エネルギー機関(IEA)が歴史的な予測を発表。米国は17年までにサウジアラビア・ロシアを抜いて世界最大の産油国になり、20年代には原油まで自給自足できると云うのだ。勿論世界経済に与える影響は大きい。
  2. シェール革命は産業のすそ野が広く、電力の卸売価格は08年に比べ半値になり電力多消費型のアルミや鉄鋼、ガラスをはじめ、全産業に恩恵を与えている。エタンを原料としたエチレンではダウ・ケミカルが世界最大のエチレン工場をフリーポート市に建設する。運輸費が圧縮され、家電・自動車まで米国回帰の動きを示す。現にゴールドラッシュの再現を想起される米国北部のバッケンでは人口急増による住宅不足・求人急増等、好景気に浮かれている。
  3. 世界のエネルギー地図は大変貌を遂げる。シェールガスの低価格化は中東・ロシアにドミノ倒しのように影響を及ぼしている。余ったガスは欧州に向かい、欧州ではガスが余り始めている。
  4. 日米首脳会談では安倍首相がシェールガスの対日輸出解禁を申し入れ、オバマ大統領は前向きの姿勢を示している。中部電力・大阪ガス・三井物産・三菱商事・住友商事・東京ガスはすでに権益確保に動いており、早ければ3月にも輸出許可が下りる可能性すらある。ロシアはLNGを日本に向けて売り込もうと懸命になっていることも報道のとうりだ。
  5. 特に注目すべきは頁岩層(地下800メートル~2Kメートル)からの採掘は殆ど不可能に近いと云われていたのが、高圧水で割れ目に特殊な砂を入れて抽出する「水圧破砕」の技術は何と中小企業によって1990年代に開発されたのだ。小規模のプラントは資材さえ集まれば3ケ月程度で立ち上がる。米国ではシェールガスの埋蔵量は200年分あると云われる。日本の対応は当面はシェールガス効果を利用して化石燃料のコスト低減を図るとともに、ガス火力発電の効率化・ガスコンバインドサイクルで発電設備の早急な合理化を進めるべきだ。このためにも発送電配電分離・地域独占の廃止等の電力改革を早急に進めなければならない。
  6. シェール革命の恩恵を受けている間に、我が国はエネルギー自給の動きを加速させなければならない。メタンハイドレード・オーランチオキトリウム・バイオマス・地熱・その他自然エネルギーの開発が急務だ。米国で中小企業がシェール革命の発端を担ったように、日本でも産業界を総動員して開発すれば完全自給も夢ではない。
  7. シェール革命は日本企業の直接的需要を喚起しており、シェールガス用の特殊鋼管や継手(新日鉄住金・JFEスチール)、フラックサンド(住友ベークライト、砂をフェノール樹脂でコーティングしたもの)、LNGプラント(日揮・千代田化工建設・東洋エンジニアリング)など日本の特有技術に依存する面も増大している。将来的には日本の世界に誇るこの技術を自国のエネルギー開発に向ければ、エネルギー自給は可能だ。
シェール革命はアメリカ経済の再生を可能にし、円安ドライブがかかる傾向があることを見逃してはならない。円安はモロバの剣で、過度な円安は財政悪化、長期金利上昇、国債の信任低下、等々の懸念があり要注意だ。

その一方、米国の財政の崖は依然として解消されてはいない。このまま行けば強制歳出削減は避けられず、ドル安から円高に進む懸念も拭いきれない。
事態は短期的な予測と長期的展望に分けて考える必要がある。短期的には円安は逆転局面を迎えることもあり得るが、長期的に見ればアメリカ経済は再生に向かいドル高・円安が見込まれると云うのが正しい予測だろう。

いずれにしても、エネルギー問題が日本の政治・金融・経済に及ぼす影響度はますます増えることは間違いなく、エネルギーの自給、エネルギー供給の独占排除、エネルギーの公正な利益配分等が日本の持続可能な経済や平和と民主主義を守るキーテーマとなるであろう。

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2013/02/11

単純な二項対立では解決できない。推進派も一枚岩ではない。

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ヨアヒム・ラートカウは著書「ドイツ反原発運動小史」の中で次のように語っている。

「単純な二項対立では解決できない。推進派も一枚岩ではない。ムラの中にも利害の対立があり意外にバラバラだと云うことが分かった。」

 

日本の反原発運動は一面的で複雑なエネルギー問題に対処する力が弱い。

「単純な二項対立では解決できない。推進派も一枚岩ではない」と云うのは日本に向けての忠告ではないか?

 

典型的事例が29日の毎日新聞の報道で示されている。

東京電力が計画する石炭火力発電所の新増設を巡り、経産、環境両省が対立している。東電が実施予定の石炭火力の入札に対し、環境省が地球温暖化への影響を理由に懸念を表明、供給力増強に理解を示す経産省と意見の対立を生んでいる。

 

東電は赤字750億円に拡大3月期の連結決算見込みを1200億円に下方修正する予想だ。原発稼働停止により火力発電の燃料費が予想より増える上、円安の影響も上積される。先にも述べたように旧型石油火力をピークで20%も比率を増やしていること、新型火力にリプレースする設備改革を怠ってきたことのツケなのだが、起こっている現実に東電自体の内部でも矛盾した対応が生まれている。

 

一方では原発の再稼働を求める動きがあり、他方では北米の「シェールガス」の権益取得に走る動きがあり、遅ればせながら新型火力・ガスコンバインド(MACC)の大型プラントを進める計画も持ち上がっている。背に腹は代えられないのが実情だろう。

 

使用済み燃料の処理についても綱引きが行われている。

経産省の職員がトラブル続きの六ヶ所村再処理工場について尋ねると、関電職員は「危ないんです」と答えた。当時、漏水や施工ミスなどが多発し、官民ともに「危険性がある」と云う認識で一致していた。一方幹部は「投資が巨額で自分たちからはやめられない、国が「やめる」と云えばやめられるかもしれない」と云っている。

首相直轄の「原子力改革委員会」の重鎮は「君らの主張は分かる。でもね、サイクルは神話なんだ。神話がなくなると、核のゴミの問題が吹き出し、原発そのものが動かなくなる。六ヶ所は確かになななか動かないだろう。でもずっと試験中でいいんだ。あそこが壊れたそこが壊れた、今直しています。でいい。これはモラトリアムなんだ」(毎日新聞25日朝刊「虚構のサイクル」「ずっと試験中でいいんだ」の記事)

 

青森県六ケ所村の再処理工場を動かすと188千億のコストがかかるとの公表もあった。

日本原燃が破たんの危機にある。間もなく償還期限をむかえる社債の償還が不可能とされている。政府資金の大量投入しか回避の道はなさそうだ。

 

このような破滅的状況の中で推進派からも反原発派からも真剣な議論が生まれず、すれちがいの議論ばかりに終始している。この現状にヨアヒム・ラートカウが懸念するのは脱原発先進国として当然ではないか。


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2013/02/06

ヘリテージ財団の変化は米国の世界戦略の変化を示唆する。

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ヘリテージ財団と云えば米国の軍産複合体を代弁する保守系のシンクタンクと位置づけられていた。石原慎太郎元東京都知事が尖閣列島問題で物議をかもした最初の発言はこのシンクタンクで行われた。

ヘリテージ財団の「アベノミクス」に対する分析は大変厳しい。「安倍氏は公共投資と金融緩和を進めると報道されている。だが、これらを一緒に行うことで、うまくいく可能性はない」と断言している。更に「より多くの資金が供給されると、国民は過去20年間と同じように貯蓄を増やすだろう。企業は、追加的資金を今まで以上に海外での活動に充てるであろう」と云い、「政府は自分自身と戦うことになる」と指摘している。

対中政策については「日本が戦争責任について、以前に認めたことを撤回するなど、論争の種になるようなことを推し進めないよう、米国政府は安倍氏に私的に忠告する必要がある」と意外なコメントをしている。今までのヘリテージ財団では全く考えられない見解だ。これには驚いた。

なぜこのような変化が生じたのか大きな疑問を抱えながら、偶然にも春名幹夫氏(名古屋大学客員教授)の情報に接し漸く納得がいった。
その解答とは「ヘリテージ財団にチャイナマネーが入っている」と云う情報だ。中国系アメリカ人・エレンチャオ(ブッシュ政権の元労働長官)がヘリテージ財団に入り込み、上海マネーを頼って資金集めをしていると云うのだ。
米国ではシンクタンクといえどもお金集めが重要な課題だ。台湾マネーが縮小しチャイナマネーに置き換わっているのだ。

米国の対日政策についても目立った変化が生まれている。
「日本帝国政府記録情報公開法」が2001年3月末に発効した。本法の特徴として、すでに指摘されているように、表題が帝国軍から帝国政府に変わっていることがまず注目される。これは戦後期の資料が重視された結果と思われる。降伏時にヒトラーと中央政府が存在しなかったドイツと違い、連合国の戦後処理は日本政府を通じて行われ、その間に731部隊などが不問に付された経緯があるのでこの変更は当然であろう。
次にナチス法に基づく作業部会と日本帝国政府記録作業部会がドッキングしたことが、大きな変化としてあげられる。すでに昨年夏からナチ作業部会は、ナチスの同盟国の調査に主要な努力を向けていたし、これまでにも帰還者、捕虜の尋問調書、東京裁判関係資料、資産略奪などについての日本関係の記録が多数出てきているので、これは当然の処置といえよう。

ジャパンタイムスやワシントンポストは慰安婦問題(アメリカでは性奴隷問題と云われる)や太平洋戦争美化の動きに厳しい批判を加えている。
米議会でも 韓国・中国のロビイストのロビー活動を受け、日本帝国政府記録情報公開法による詳細な情報を駆使して日本の右傾化に対し痛烈な批判を展開している。

背景には米国の人口構成の変化、白人比率の微減、黒人系・アジア系の激増があげられる。オバマはこの変化を敏感に読み取っている。オバマは世界の5人の友人の中に韓国のイミョンハクを挙げている。そして今やチャイナロビーはイスラエルロビーを超える存在だ。
こうした背景からオバマはリベラル化に向かわざるを得ない。

先に述べたように米国の「シェール革命」や米国のメガバンク支援の後退・イギリスのメガバンクに対する投資と預金等の銀行業務の分離、等々は世界の金融経済に大きな影響を及ぼすだろう。

日本経団連が2012年4月に発表した日本経済についての4つのシナリオのうち「悲観的シナリオ」では財政悪化し、成長率が下振れ世界9位まで落ち込む。さらに少子高齢化の影響が大きく、15年までに消費税率を上げても、50年の政府債務残高は対GDP比で約600%に達すると、これでもかとばかりに陰鬱な未来像が示される。

財政規律を欠いたまま大幅な財政赤字が続けばマネーストックは増加しても日本政府や日銀への信頼が失われ「悪い金利上昇」のきっかけとなる。円安のマイナス効果も出てくる。

更に参院選後安倍内閣が歴史を歪曲し右寄り政策を強行すれば外国との軋轢が増す。とりわけ対米従属路線との齟齬が生じ日米関係まで悪くなる。安倍政権は米国の変化、グローバル政治経済の変化に疎いままではいずれ崩壊の試練に立たされるであろう。

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2013/01/31

北米「シェール革命」と日本のエネルギー政策

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IEA(国際エネルギー機関)は昨年11月に、米国は天然ガスに関しては2015年にはロシアを抜き世界最大の産出国に、原油は2017年にサウジアラビアを抜き世界最大の産油国になると発表している。

 

「シェール革命」と云い「シェールガス革命」と敢えて言わないのはわけがある。従来シェールオイルはシェールガスの開発コストの3~4倍かかるためコスト的に難点があり開発が遅れていた。ところがシェールガスの掘削技術が進むと同時に採算が取れる状況が生まれてきた。特に同じガス田で両方が採掘される条件があればさらにコストは下がり十分採算ベースに合う。

 

シェールガスは従来の天然ガスと変わらないが、地下2000M~4000Mの頁岩(けつがん)の地層の割れ目にある天然ガスだ。全世界では回収可能なシェールガスは6600兆立方フィート存在し世界の消費量の250年分に相当する(国際エネルギー機関発表)

 

日本はLPG(液化石油ガス)を年間1200万トン輸入しており大半を中東に依存している。このため世界で一番高い価格(CP価格)となっておりシェールガスの輸入が実現すれば二分の一以下の価格となる。

2012年にはLPGだけで一兆円を超える輸入実績となっているため、シェールガス輸入は必須となっている。

LNG(液化天然ガス)はカタール・オーストラリアー・マレーシア・ロシアなどから、昨年6兆円輸入されているがシェールガスの価格波及効果も期待でき、北米のシェールガスに置き換わる効果も入れるとその効果は計り知れない。

 

ところで北米のシェールガスの輸入が可能かどうかが問題となるが、FTA(自由貿易協定)締結国優先で韓国が有利であることは間違いないが、米国内でも国益を考えればFTA締結国以外にも輸出拡大するべきだと云う政治決定も現実的だ。また権益取得は日本の大手ガス消費会社や商社が具体的に着手しつつあり、カナダとの契約も進められている。

 

日本のエネルギー調達の多角化は急務だ。LNGの液化設備はコストがかかりヨーロッパや中国のパイプライン化には負ける。ロシアはチャチャンダ・ガス田から3000Kにわたるパイプラインをウラジオストックまで引く計画を決定、年内に着工すると云われている。また、サファリン2のLNGプラント計画も進行中だ。

米国のシェールガスの輸入を促進すると同時に他の国からの輸入ルート多角化やパイプライン施設も進めなければならない。


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2013/01/29

反原発運動側の原発推進論

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このテーマは複雑でわかりにくい。しかし現実にこんな奇妙なことが起こっているのです。
順を追って顛末をご紹介します。

まず議論のもととなった推進論のメールのご紹介

Subject: [josensolar:1691] 原発推進と廃炉は両立する

三宅です

原発の即時廃炉には賛成です
しかし、それは 軽水炉型の発電をこの世の中から消し去りたいと言うことです
原子力発電を止めるとは考えていません

今回の事故は人災です
全て人の作るものは一定の危険性を持っています
超大型の原子炉は爆発したら 半径300キロに被害が及びます
そんなリスクは取れません

しかし、原子力は小型化できる技術です
潜水艦に搭載されています
トリウム原子炉は小型化が可能です、さらに小さくできます
日本には原発を安全に立地させるところが無いと言いますが
それは 大型の発電所のことで、小形ならば立地は可能です
無人島も沢山あります

廃棄物が100万年も無害化できないのは事実です
10万年を100年にする開発は考えられています
時間をかければ解決できるでしょう
また、地下に埋めなくても、箱に入れて監視していれば安全です

原子力を諦めるのは早い
研究に力を入れるべきです
原爆の改良型の軽水炉は止めるべきです

地球のマグマは原子力の崩壊熱です。
原子力と共存できる筈です

次にこのメールに失望したMさんのコメント

今晩は。以前除染ソーラーについてお知らせした件なのですが、ボス「三宅氏」は小出先生の「騙されたあなたにも責任がある」の本を世界数カ国に翻訳し電子版で出版の計画もしていましたので、すっかり脱原発のかたと思っておりましたところ、このようなメールが入りビックリいたしました。私は早速脱会のメール送りました。今のところ、数名が反発、後は沈黙です。お二人のご意見伺えれば有難く、ご多忙の中こんなお願いすみません。三宅氏の経歴は知りませんが、原発に大変詳しく、その関係の元エンジニアではないかと思っています。原発は悪魔がくれたおもちゃと思っています。一部の科学者や、技術屋さんには大変魅力的なおもちゃのように思える節が見受けられます。困ったものです。小出先生は彼が推進派とは知らず、本の翻訳、出版を承諾したと思います。推進派の人が何故小出先生の本を?矛盾が拭えません。除染ソーラーの事業の為か、はたまた売名に利用しようとしているのか分かりません.いずれにしても、小出先生にお訪ねしてみねばと考えます。本は間もなく出版されるようです。
 私の彼への抗議メールも転送してみます。

最後にMさんに答える私のコメント

以下三宅氏に対する反論を書きました。

原発は小型化しようが地下に入れようが使用済み核燃料の処分の問題や高レベル廃棄物の処理の問題は残されるのです。
原子力潜水艦の小型原子炉は都市部に設置できるのでしょうか?
地下原発はどこに設置するのでしょうか?

受益者が自分たちの利益のため過疎地に負担を押し付ける構図は共生社会にはふさわしくありません。
まして後世に負担を残す行為は人間としてやるべきではないでしょう。

トリューム溶融塩炉についてもコジェネのように都市部に手軽に設置できる可能性が出てきてから言ってください。もしナトリュームが媒体であるような装置なら無理です。
いずれにしてもこれからの社会は共生や持続性・社会的包摂を求めていく方向に向かわなくてはなりません。
予測不能・計測不能・修復不能な技術、試行錯誤が出来ないような技術、弱者に一方的に負荷をかぶせる技術はダメです。

安全性の追求を徹底すればコストの面、経済性の面でも核エネルギーの優位性は失われます。
軽水炉だけが安全性に欠けるものではありません。核エネルギーは核兵器保有に道を開く危険性もあります。誰がこの危険から守ってくれるのでしょうか?誰がそのことを担保してくれるのでしょうか?

保険が掛けられないようなプラントは身の回りに置くべきではありません。世界にいまだに存在する破壊主義者から核施設を守るには莫大なお金がかかるであろうし、そんな不安を抱えながら安心して暮らせるでしょうか?
技術のことばかりでなく、社会学的、倫理的観点からも熟慮するべきです。
これが最後にはなりませんでした。まだまだ議論は続きます。

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2013/01/26

ドイツに学ぶ反原発運動のありかた

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最近「ドイツ反原発運動小史」(ヨアヒム・ラートカウ)を読んだ。ドイツが脱原発へ国家として如何にして踏み切ったかの秘密を探るためだった。

そこには反原発運動のみならず市民運動全般について重要な示唆が多くみられた。
思いついたことをランダムに列記する。

単純な二項対立では解決できない。推進派も一枚岩ではない。ムラの中にも利害の対立があり意外にバラバラだと云うことが分かった。
ドイツは日本のように核技術がアメリカから輸入されてのではなく、国産技術としての位置づけがあった。したがって優秀な技術者が多く参入していた。
日本では優秀な技術者は当時花形であった電子工学に志向した。

ドイツの核技術に携わった優秀な技術者の中から反原発論者が生まれた。彼らの技術的・理論的説明が政治家や市民に浸透した。


1968年に起こったベルガッセン原発の反対運動のリーダーは「生命保護連盟」のギュンター・シュバーブ元公爵(どちらかと云えば右派)だった。

グリンピースは反暴力を徹底し環境裁判で98%勝訴した実績をもって反原発訴訟を主導した。


左派は中央集権を嫌うため地方分散型運動を進めた。これに対して幅広い運動を求めた勢力は政治家や左翼でない学生を動かしネットワークが構築された。
反原発は自然保護運動とも結びついた。


ヨアヒム・ラートカウは日本人に勧告している。
「私が日本人に勧めるのは、複数のエネルギー政策のオプションを徹底的に検証してみることだ」
そして原発の問題は市民の抗議、メディア・政治・行政・司法・科学・文化にまで及ぶ相互作用やダイナミズムが重要だと説いている。


この教訓から我々の運動を顧みるに小沢支持者の多くはあまりにも狭量であり左翼思想に汚染され過ぎている。過去に原発推進派であった人間は現在反原発を唱えても一切受け入れないとか自分たちの意見に合わないものはすべて敵とみなし、徹底的に排除する。相手を「ムラ」というレッテルを貼りながら自分たちはより強力な「ムラ」を形成している。

小沢さんはもっと広く支持者を求めていかないと突破口は開けないだろう。


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2013/01/23

日本の電力体制再編への提案

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現在の電力の発送電を含めた地域独占、総括原価方式を変えない限り今後の福島原発事故の補償を考えた場合国民負担の増大に歯止めが掛からない。

日本の最も基幹産業である電気料金の中身の決定が不明瞭なことが一番の問題である。従い次の提案をするものです。

先ず送電、配電部門は国が電力会社より買い取り国営公社として経営、職員は各電力会社のその部門に所属した職員を引受け、電力価格の中身を完全オープンにした上議論し、購入先電力会社については政策的に決定する自然エネルギーを除き安い電力順に購入する、将来の国際的炭酸ガス排出規制を考慮し自然エネルギーの発展を全体的価格バランスを見た上で自然エネルギーの量を決定、家庭、大手需要者、中小企業者の状況を考慮して取り決める。

凡その日本の電力設備能力及び電力需要は下記表の如きと思われる。


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2013/01/03

「エネルギー安全保障で原発再稼働は必須」への反論

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週刊東洋経済 新年合併号 2050年未来予測「安全保障を考えると原発再稼働は必須だ」
日本エネルギー研究所 特別顧問 田中伸夫氏
この寄稿文は再稼働賛成の立場を述べられたものだが、従来の原発推進論に比べてはるかに手強いものだった。脱原発を標榜する政治家はこれに答えられなくてはその資格はないとみるべきだ。

<論点整理>
  1. 日本のエネルギー安全保障上、短期的な問題はイラン危機だ。2013年春から夏にかけて、イスラエルがイランの核施設を攻撃するか否か。これによって経済の前提が大きく変わる。人によって見方が異なるが、一定確率で起こる前提で準備しておかないとまずい。仮にホルムズ海峡が封鎖されると、原油価格は一挙に倍にハネ上がる。そうなると、日本の経常収支の黒字は吹き飛ぶ。日本国債、円に対する信認が崩れ、深刻な経済ショックを引き起こす。
  2. ドイツが原発をやめたのはEU内で系統線が全部結ばれていていざとなれば隣国から電力を買えるからだ。ドイツが原発をやめたから日本でも原発を廃止できるというのはあまりにも短略的発想だ。
  3. 北米地域は、シエール革命によって完全にインディペンデントになる。つまり、エネルギー安保上、中東が不要になる。米国の中東に対するコミットが減少すると、日本は集団的自衛権を拡大してシーレーンを防衛しなければいけなくなるかもしれない。米国は、日本が原発をやめると困る、とはっきり言った。原発をつくる技術は日本に移転しており、これから途上国が原発を使っていこうとしているときに、日本の持つ再処理や不拡散の技術は重要だと米国は思っている。
以上の理由から、今のうちにぜひやっておかなければならないのは、安全と確認された原子力発電所を再稼働させておくことだ。来年7月ごろまで原子力規制委員会の安全基準はできないようだが、イスラエルは待ってくれない。
原発が怖い、放射能は危ない、だから原発を減らす、というほど物事は単純に決められない。

日本エネルギー研究所 特別顧問 田中伸夫氏の主張を整理すると、以上の通りだ。

これに対し通常行われる反論は二つあり、一つは「使用済み燃料の処理も決まらないのに再稼働はあり得ない。いわゆるトイレのないマンションだ」と云う反論、もう一つは「原発の安全性が担保されない上に原子力発電のコストは隠されたコストを入れると圧倒的に高く経済的に合わない」と云う反論だ。
この種の反論は正論でもあり有効ではあるが、何れも原子力技術の専門家に判断をゆだねる結果となり決定打にはなりにくい。

エネルギー問題を原子力の分野に閉じ込めてしまうと原子力ムラ総動員で反撃されてしまう。つまり彼らの土俵にはまり込む結果となるのだ。そこで新たな土俵を用意する必要が出てくる。原子力ムラの住人は原子力以外の他分野の知識に案外乏しい。
たとえば、火力発電や地熱発電などの最先端技術と現状についての知見は殆ど持ち合わせないか、知っていても隠したがる傾向が強いかのいずれかである。

まず現状分析から始めよう。電力会社や経産省が原発以外の発電設備の設備改革をいかに軽視してきたかは火力発電の実態を見れば分かる。いまだに重油など石油を焚く火力発電が設備能力で4100KWHも存在する。ただし実際に使われているのはピーク時で需要量の20%で石油火力の半数近くが遊休化している。前近代的設備が全需要量12380万KWHの19%一も残され殆ど遊休設備となっていることは驚くべき事実だ。これは信じられないことだ。その上石油火力の燃料確保のため、LNGガスを石油リンクの高値で買い入れている(東京新聞は5倍と云っているがこれは定かではない。控えめに見てもアメリカの購入価格の倍だろう)。
このように2重のコストアップ要因を放置し、コスト意識に欠ける電力会社が火力発電の近代化に背を向けてきたツケを電気料金の値上げで国民に押し付けてくることは全く理不尽だ。

遊休化している石油火力発電所用地を新型火力 ガスコンバインドサイクル(MACC)や新型石炭火力超々臨界圧技術(USC)にリプレースすることが当面一番現実的な対応だ。
用地は十分あり環境アセスもすでにできているので法的整備が出来、やる気さえあれば3.11以降やがて2年にも近い現在、すでにリプレースが完了していた筈だ。

次に現在すでに実用化され稼働中の新型火力の実情を報告する。電力会社の中でも下記に紹介する当該部門は懸命に努力を重ね技術水準を向上させているが、肝心な経営幹部が原子力偏重であるため重点部門として位置づけられていないだけの話だ。

東京電力川崎火力発電所ガスコンバインド(MACC)発電 (低炭素化への取り組み)、最新技術による発電方式で熱効率約59%を達成。
平成19年6月、40年以上に亘り運転していた1~6号機に替わり、省エネルギーとCO2の発生の少ない火力発電所にリニューアル。新技術による1500℃級コンバインドサイクル発電方式(MACC)の採用により、熱効率は世界最高水準を誇る約59%を達成し、従来型の発電方式に比べて燃料使用量が約25%低減、二酸化炭素(CO2)も同様に約25%低減、を達成。
1号系列
 第1軸(50万kW):平成21年2月運転開始
 第2軸(50万kW):平成20年6月運転開始
 第3軸(50万kW):平成19年6月運転開始

J-POWERの磯子火力発電所は、超々臨界圧技術(USC)などの新技術の導入により高効率運転の維持に努めてきました。現在この新型石炭火力は120万Kwhの発電能力で稼働中です。2010年度の平均熱効率(発電端)は40.5%となっている。この効率はCO2排出量の削減にもつながる。USC石炭火力はSOxやNOxの排出量はきわめて少なく、欧米と比べてもクリーンなレベルを誇っている。J-POWERの磯子火力発電所(神奈川県)は横浜市と日本で最初の公害防止協定を締結し環境対策を徹底している。2002年に生まれかわった時に排煙脱硝装置の導入だけでなく日本で初めての水を使わない排煙脱硫装置を導入し、排煙からSOxを99%、NOxを91%除去している(2011年度実績値)。世界を見れば、中国やインドなど環境対策が不十分なまま発展している国々で大気汚染が大きな問題となってる。日本の最先端技術を海外で活用していくことが大いに期待されている。
更に、J-POWERでは、石炭の新しい可能性を求めてIGCC(石炭ガス化複合発電)開発を進めている。
資源の乏しいわが国においては、エネルギーセキュリティー確保のために世界において埋蔵量が豊富で価格の安定した石炭を利用した火力発電を導入し、電源のベストミックスを図ることが重要だ。
このためには、高効率な石炭火力発電技術の開発により、エネルギーセキュリティと地球温暖化対策を両立させることが不可欠であり、IGCCはこの中核技術になると考えている。
また、IGCCは国内における石炭の利用だけでなく、海外における石炭火力の飛躍的な効率改善による温暖化ガスの大幅削減や環境性能の大幅な向上等にも役立つと考えられている。

地熱バイナリーサイクル発電」は低温の地熱でも発電可能
発電用のタービンの熱伝達媒体にアンモニア水等の低沸点媒体を用いる画期的な発電装置だ。
従来型の上記フラッシュ発電に比べ比較的低温の熱水でも発電できるため、立地の可能地域が広いのと、熱交換器を介するためスケールが付着しにくい等の特徴がある。
又、熱源はあるが水がない岩体に注水還流させる岩体発電により、都市近傍の地産地消の発電が可能となると同時に「同軸二重管方式」との併用で設備のコンパクト化も可能だ。
この他自然エネルギーでも、蓄熱機能を備えた太陽熱複合発電システム(ISCC)などがあるので該当ページを参照していただきたい。

以上のように原発に代わる優秀な設備が開発され一部実用化されているにもかかわらず、それが重点政策ととして推進されてないのは何故だろう?。電力設備改革を妨げているのは原子力と太陽光・風力偏重のエネルギー政策ではないか?と云う疑問が拭い去れない。

電力設備改革とともにエネルギー供給源の多様化も重要な課題だ。(この点については田中伸男氏も認めている)豪州やロシアからのLNG輸入の道を開き、米国のシェールガスの輸入も積極的に取り組むべきだ。ロシアについては北方領土からのパイプライン設置も促進するべきだ。

最近の情報では日本近海には発掘可能なメタンハイドレードが大量に発見されている。
次世代のエネルギー源として注目される「メタンハイドレート」が日本近海の広い範囲で、海底下数メートルの浅い場所に存在する可能性があることが新たに分かったと、北見工大と明治大などのチームが29日発表した。オホーツク海や日本海で発見し、回収にも成功。メタンハイドレートの資源化を前進させることも期待される。
これまでも太平洋を中心に深い場所で見つかっていたが、極めて浅い場所で見つかったことで、比較的容易に採掘でき、経済的にも優位になる可能性があるという。
チームが発見したのは、北海道網走市沖のオホーツク海、秋田、山形、新潟、各県沖合の日本海の海底。2012/10/29 21:31【共同通信】

このメタンハイドレートという資源は、メタン(CH3)と水(H2O)だけによって構成され、天然ガスの主成分であるメタンが低温高圧下で水に溶け込み結晶化したシャーベット状の固体物質で「燃える氷」とも呼ばれている。燃焼時の二酸化炭素排出量は石油の約半分で環境負荷が極めて少ないクリーンエネルギーでもある。日本近海全体では天然ガス約100年分にあたる推定7.4兆立方メートルと世界最大規模の埋蔵量があるといわれており、次世代のエネルギー資源として大いに期待されている。

ガス供給ルートを多様化するとともにUSCなどの先端石炭火力の増設で、100年以上潤沢に供給可能fだと云われる石炭エネルギーの割合を積極的に拡大する必要がある。ここ4~5年は新型火力でつなぎ日本近海のメタンハイドレードの供給力が増大すれば、日本はエネルギー資源国になり、一挙にエネルギー問題が解決に向かう可能性が高い。メタンハイドレードについては本サイトで特集を組み詳細情報をお伝えするつもりだ。

シェールガスによるエネルギー自給率改善により米国が原発依存率を低下させるのに肩代わりし日本の原発を維持拡充するべきと云う主張は、どちらの国益を重視しているのか?国益の観点が全く逆転している発想だ。もしかしたら核武装を考えているのかもしれないが、核兵器は今や抑止力にならないことは世界の常識だ。核を持つイスラエルがパレスチナから100発のミサイルを撃ち込まれたり、核を持つパキスタンが核を奪いたいタリバンから攻撃を受けたり、核の保有の疑いのためにイランが経済制裁を受けたり、核を持つことがどんな意味を持つのがはなはだ疑問だ。
米国にしてみれば大量のプルトニュームを保有する日本がテロ対策に弱い現状を看過できないのは確かだ。テロリストから考えた場合日本ほど狙いやすい国はないだろう。
原発を50基も持つ日本は防衛上大きな弱点を持っていると云って間違いない。

米国は「ユッカ・マウンテン貯蔵施設計画」の頓挫により原子力政策の見直しを迫られている。このことはシェールガス革命に加えて、米国の原子力政策に及ぼす影響を考慮に入れなければならない。

最終処分場が決まらない以上中間貯蔵の問題がクローズアップしてくる。
使用済みの燃料棒は最低5年間は「プールで冷却(ウェット貯蔵)」の後は、「金属キャスク」という容器に入れ、不活性ガスを充填したコンテナに密閉すること(ドライ貯蔵)になっている。使用済み燃料プールは意図的に天井の強度を下げた空間で保存されている。福島の4号炉では全く露出した環境に曝されている。

使用済み燃料プールの構造は、原発が実用化されて以来、何の進歩もない。水を満たしたプールに燃料棒を入れてポンプで水を循環させて熱を取る、その基本的な構造は全く変わらない。しかも、この使用済燃料プールというのは、全世界の原発には必ずあるわけだ。
使用済み核燃料の冷却というのは、「脱原発」を即刻やるにしてもやらないにしても、原発を一旦利用した社会は背負っていかねばならない問題なのだ。水の循環冷却が必要だという現実から逃げることはできない。
全電源喪失事故が起これば例え原発が停止していても、5年以内の使用済核燃料がある限り冷却プール一時保管方式の根本的欠陥が露呈する。
原子力関係者は、「電力を作る原発が、電力が無ければ水素爆発の危険を抱え続ける」と云う矛盾におびえている。

更に再処理をするならセラフィールドでも問題になった高濃度廃棄物のガラス固化の体制も心配になる。ガラス固化の工場は原則として人間の立ち入りが出来ない。フルリモートコントロールだ。万一工程に不具合が起これば工場の廃棄につながる事態も起こり得る。
廃炉の段階で発生する高濃度廃棄物についても同様の問題に突き当たる。キャスクの外装ステンレスの厚みを増せば放熱が妨げられるし、薄くすれば放射能が強くなり人が近寄れない。再処理や廃炉についてはまだまだ解決しなければならない技術的問題が山積している。

原発再稼働論者に「原発が怖い、放射能は危ない、だから原発を減らす、というほど物事は単純に決められない。」と云われれば、複雑・詳細にして科学的な理解に基づき、正面から受けて立つ反論が求められるのだ。今回のこの反論で十分だとは思ってはいない。これを出発点として更に精度と分かりやすさを求めていきたい。
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2012/12/30

エネルギーの安全保障を盾にとった原発再稼働必要論

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エネルギーの安全保障を盾にとった原発再稼働必要論に脱原発政治家は反論できるか?


以下は、日本エネルギー研究所 特別顧問 田中伸夫氏が週刊東洋経済に寄稿した文章です。これに反論できなければ「脱原発政治家」の資格はないと思います。正月の課題として提示します。感情論抜きの模範解答を求めます。回答は info@senkyoku.skr.jp まで(一般の方も歓迎します)。解答は正月明けに発表する予定です。

<以下引用文> 

日本のエネルギー安全保障上、短期的な問題はイラン危機だ。2013年春から夏にかけて、イスラエルがイランの核施設を攻撃するか否か。これによって経済の前提が大きく変わる。人によって見方が異なるが、一定確率で起こる前提で準備しておかないとまずい。

仮にホルムズ海峡が封鎖されると、原油価格は一挙に倍にハネ上がる。そうなると、日本の経常収支の黒字は吹き飛ぶ。日本国債、円に対する信認が崩れ、深刻な経済ショックを引き起こす。

そのために、今のうちにぜひやっておかなければならないのは、安全と確認された原子力発電所を再稼働させておくことだ。来年7月ごろまで原子力規制委員会の安全基準はできないようだが、イスラエルは待ってくれない。

さらに、北米地域は、シエール革命によって完全にインディペンデントになる。つまり、エネルギー安保上、中東が不要になる。米国の中東に対するコミットが減少すると、日本は集団的自衛権を拡大してシーレーンを防衛しなければいけなくなるかもしれない。

米国は、日本が原発をやめると困る、とはっきり言った。原発をつくる技術は日本に移転しており、これから途上国が原発を使っていこうとしているときに、日本の持つ再処理や不拡散の技術は重要だと米国は思っている。

原発が怖い、放射能は危ない、だから原発を減らす、というほど物事は単純に決められない。<以上引用文終わり>

反対側の論理にストレートに向き合い、真面目に対処するやり方は今までの「脱原発運動」にあまりなかった試みです。
感情に訴えたり、「むしろ旗」の対抗の仕方ももちろんアリです。しかしこれには、ある限界を感じておりました。

以上の新しい試みは相手の土俵に引きずられ、原発利権の餌食になると云う危惧もあります。しかしこれは新しい挑戦なのです。新しい挑戦の中からより強固な脱原発の理論的根拠が醸成されれば幸いです。できれば、理論の強化とともに「わかりやすさ」も求めていきたいと考えております。


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